大堀相馬焼コラム

陶器って何?陶磁器の種類や日本三大陶器ブランドと始まりの歴史を解説

陶器にはどのような種類があるのでしょうか。
陶磁器の主な種類から陶器と磁器の違いや歴史、陶磁器を購入することのできる通販サイトも見ていきます。
さらに、気になる陶器や好みの陶器を探す際に役立つ、日本三大陶器も含めた日本の代表的な陶磁器のブランドについても紹介します。

陶器のイメージ画像

陶磁器にはどんな種類がある?

「陶磁器(とうじき)」とは、一般的に「やきもの」と言われるものの専門的な呼び名で、陶器・磁器・土器・炻器(せっき)は全て陶磁器です。
陶磁器の長い歴史のなかで、中国から欧米に陶磁器の文化が流れたことから、英語で「chaina」と言われることもあります。

今回は、陶磁器の分類と、それぞれの特徴や代表的なブランドを紹介していきます。

陶器

陶器(とうき)は粘土から作られた焼き物で、土ものと言われ、叩くと鈍い音がします。
淡い色合いの土の素朴な風合いと、あたたかみの強い厚みのある手作り感が特徴です。

代表的なブランド:美濃焼・瀬戸焼・益子焼・萩焼・唐津焼

磁器

石の粉からできた石物と言われる磁器は、焼いたあとにガラスのような性質になるため叩くと高い音がします。
洋食器のほとんどが磁器で、光にかざすと光を通し、吸水性はほとんどありません。
陶器に比べて硬く、表面の美しさが特徴的です。

代表的なブランド:有田焼・波佐見焼・九谷焼・砥部焼・清水焼

土器

陶器と同じく、粘土から作られる陶磁器で、叩くと鈍い音がします。
陶器が窯で高温で焼かれるのに対し、土器は窯を使わず低温で焼成されます。
土器が出来た時代には高温で焼成する技術がなく、気孔が残ってしまっており透水性が高いため、陶器に比べてもろく壊れやすくなっています。

代表的なブランド:須恵器・縄文土器・弥生土器

炻器

炻器(せっき)は、鉄を多く含む粘土を原料にした、陶器と磁器の中間のような陶磁器です。
吸水性がなく、叩くと金属音のような高い音がしますが、透光性もありません。

代表的なブランド:信楽焼・備前焼

陶磁器が購入できる通販サイト

陶磁器を買うことのできる通販サイトを紹介します。

器屋 にしやま

3700点を超える陶器や磁器を取り扱う「器屋 にしやま」です。
福岡博多にある実店舗のオンラインショップで、シンプルモダンな器を多く取扱っています。

器屋 にしやま

テーブルウェアイースト

次に紹介するのは、陶磁器の生産シェアで日本一を誇る美濃焼を中心に豊富な品揃えを誇る通販サイトです。
アウトレット品も多く取り扱っており、大量注文にも対応しています。

テーブルウェアイースト

陶磁器の始まり

非常に多くの種類があり、世界的にも有名な日本の陶磁器は、現在の日常生活に欠かせないものとなっていますが、どのようにして出来上がったのでしょうか。

日本の陶磁器の歴史

日本における陶磁器の歴史は、およそ1万年前に食料の貯蔵を行うために「土器」が作られたところが始まりだと言われています。
縄文土器や弥生土器から、大陸の須恵器の技術の影響を受けて鎌倉時代に陶器が誕生し、安土桃山時代の独自の茶の文化の発展に伴って、日本の陶器も独自の変化を遂げていきました。
江戸時代に朝鮮人によって有田焼が作られ、これが日本初の磁器とされています。

明治時代以降は、欧米からの技術が導入されたことで一気に近代化が進み、大量生産にも対応できるようになりましたが、現代ではより品質にこだわりを求める傾向が高まっています。

海外の陶磁器の歴史

中国では唐の時代に陶磁器製作が始まりましたが、当初は副葬品として陶器が用いられていました。
その後、窯で焼成する磁器が登場、茶の流行も相まって技術の進化が進んでいきました。
その後、13世紀に中国の陶磁器がヨーロッパに渡ったときから、中国の重要な輸出品として扱われ、ヨーロッパでは時代的に陶磁器が普及しておらず、高級な装飾品として使われていました。
そのため、西欧において陶磁器は「chaina」と呼ばれています。

代表的な産地

世界的にも歴史の長い日本の焼き物文化は、全国各地で陶磁器の製作が行われ、たくさんの種類があります。
世界的にも有名な「日本三大陶磁器」に加えて、代表的な日本の陶磁器の種類と陶磁器を販売するイベント、陶器市についても紹介していきます。

大堀相馬焼

福島県で生産される、江戸時代の初期に発祥したとされる陶器です。
走り馬が描かれ、青いひび、二重焼という独自の製法を特徴とする歴史ある陶器で、東北地方で最大の産地となっています。
走り馬が縁起のよいものという言い伝えから、贈答品としても多く用いられています。

大堀相馬焼

有田焼(日本三大陶器)

日本三大陶陶磁器のひとつとされ、日本で初めて製作された磁器です。
佐賀県有田町で焼かれた磁器のことを言いますが、伊万里港から海外へ輸出されていた過去から「伊万里焼」とも言われています。
薄くて軽いのに加え、非常に丈夫であるとして有名で、日常使いの陶磁器として世界的に高く評価されています。

毎年春に行われる有田陶器市は全国から120万人ものひとが訪れる国内屈指の大規模な陶器市となっています。
有田陶器市

美濃焼(日本三大陶器)

美濃焼も日本三大陶器と言われる焼き物のひとつです。
岐阜県で生産される1300年もの歴史を持つ陶器で、日本国内の陶磁器生産量が50%以上とNo1シェアを占めています。
日常的に使われている焼き物ですが、ほかの焼き物と異なり、1つの決まったスタイルを持たず、同じ美濃焼でも多様なスタイルがあります。
特徴がないため、多治見・土岐・瑞浪の地域で製作された陶磁器を「美濃焼」と呼びます。

美濃焼の陶器市「多治見陶器まつり」は、毎年春に行われています。
美濃焼が高くて千円程度で買うことができ、日本3大陶器祭りのひとつとして毎年多くのひとで賑わいます。

多治見陶器祭り

瀬戸焼(日本三大陶器)

愛知県瀬戸市で作られる焼き物です。
中国から伝えられたと言われ、鎌倉時代には日本国内で最大の陶磁器の生産地となりました。
現在陶磁器を総称して「瀬戸物」と言うのはこのためです。
陶磁器を焼く際に表面に塗る、釉薬(ゆうやく)という薬品に特有のものが使われており、そのため焼き上がった瀬戸焼は特徴的な薄い緑色になります。

瀬戸焼の陶器市は「瀬戸物祭」と言われ、昭和7年から続く歴史あるお祭りとなっています。
毎年9月に行われ、日常使いに最適な瀬戸焼が沢山販売されます。

せともの祭

信楽焼(日本三大陶器)

最後に紹介するのは「信楽焼(しがらきやき)」です。
滋賀県甲賀市を中心に作られる炻器で、瓦を焼いたことから始まったとされています。
商売繁盛の縁起物とされる、狸の置物で有名で、「灰かぶり」という焼けた薪から出る灰が焼き付いた模様が特徴的な、素朴な土の風合いを楽しむこともできます。
かつては火鉢の製作が主でしたが、現在ではタイルや花器、食器などが多く作られています。

毎年10月に開催される「信楽陶器まつり」では、狸の置物はもちろん、強度の強い土鍋なども買うことができます。

信楽陶器まつり

陶磁器は長い歴史を持つ工芸品

代表的な陶磁器を数種類見てきましたが、どの陶磁器も非常に長い歴史をもった、日本の伝統的なものであることがわかります。
国の伝統工芸品に指定されている陶磁器は31種類にも及び、海外でも認められた、世界に誇れる日本文化です。

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