大堀相馬焼コラム

ほんとの空と阿武隈峡|福島の美しい自然

「智恵子は東京に空が無いというほんとの空が見たいという」

東京は、大手町の空を見上げて、こんな詩の一節を思いだしました。オリンピックを見据えた再開発などが進み、東京のいろんな空が、ますますせまくなっていますね。

この詩は、詩人の高村光太郎によるもので、妻である(当時は未入籍)長沼智恵子との会話をもとにした「あどけない話」というものです。

この詩が作られた昭和初期は、ビルが乱立していた訳ではないんでしょうけど、ごたごたした東京の空は、福島県生まれの智恵子からすれば、故郷の空とは全く違ったものだったことでしょう。
その智恵子が見たであろう、「ほんとの空」があるのが、今回ご紹介する、福島県の文化財、阿武隈峡です。


福島と宮城を流れる一級河川、阿武隈川が、長年にわたり侵食をつづけた結果、深いV字の谷が生じたものです。この峡谷をつくる花崗岩という石の名前は、中学校の理科で聞き覚えのある人もいるかもしれません。マグマが冷えて固まったもので、墓石や国会議事堂なんかにも使われています。つまり、丈夫で美しい岩なんです。

そんな美しい岩で覆われた阿武隈峡は、絶壁をなすところが多く、非常に面白い景観が楽しめます。特に面白いのが、岩の形で、天然のテトラポッドのようなものや、何かの動物のように見えるものも。

遊歩道が整備されているため、川のせせらぎを聞きながら、木漏れ日のなかを歩くのも気持ちよさそう!

アクセスは福島駅からバスで30分または松川駅から徒歩で15分。車なら福島西ICから20分です。


(福島市観光コンベンション協会公式ページ http://www.f-kankou.jp/cgi-bin/f-kankou/asobu/page.cgi?id=1 より)
今年の秋は、狭い都会の空の下を抜けて、福島の広々とした「ほんとの空」のもと、面白い岩を探しに行くのもいいかもしれませんね。

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