大堀相馬焼コラム

相馬野馬追で使われる器〜かわらけ〜

今年も7月27日~29日にかけて、相馬市と南相馬市にて“相馬野馬追(そうまのまおい)”が執り行われます。

“相馬野馬追”は1000年以上の歴史があり、1952年に国の重要無形民俗文化財に指定された伝統行事です。騎馬武者が織りなす勇壮な甲冑競馬や神旗争奪戦など、馬と人との躍動感に満ちた戦国絵巻を見ることができます。

実は、大堀相馬焼と相馬野馬追は繋がりがあります。

先日、相馬野馬追で使用される杯“かわらけ”の梱包作業を行いました。出荷前出陣の際に、“かわらけ”に酒をついで飲み、叩き割って出て行きます。

“かわらけ”には九曜の紋が刻してあり、一度限りの使い捨てのため素焼きのまま使用します。

こちらは6月の乾燥作業の様子です。乾燥

そして、素焼きをした“かわらけ”です。かわらけ素焼きのため、液体を注ぐと染み込んでいきます。

こんなのも作ってみました。白と黒のかわらけ白のツヤのある釉薬と黒のツヤのない釉薬のお皿です。

こちらは食器として使用できますが、元々は釉薬をかけずに素焼きで使用することが前提の器なので九曜の紋が釉薬でちょっと隠れてしまっています。それでも美しいですね。

今年も無事に“かわらけ”を納めることができました。
相馬野馬追に参加される皆さんのご無事をお祈りしております。

そして、見に行かれる方は、“かわらけ”の事を思い出してください。
震災以後は毎年、松永窯が製作しています!
観賞される方はこのお皿にも注目してみてください。

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