大堀相馬焼コラム

日本の陶器|普段使いの美しさ、益子焼

パソコンやスマートフォンを使うことが増えて、目や指は使うけれども、何だか自分まで機械になってしまったような気持ちになりませんか。

もう少し人間らしい生活がしたい、土や水に触りたい。

でもいきなり農業をやったり、田舎に住むのは難しいし、どうしたら良いのだろうとデジタル社会の中で、誰もが一度は頭をよぎるでしょう。

そのような毎日の中で、自分で焼き物を作る人が最近増えているのです。

最近は電気式の窯もあるので、カルチャーセンターや文化センターなどで陶芸教室が開かれていますし、本格的に楽しみたい人は自宅でマイ電気窯を購入しています。

 

焼き物に興味を持った方のために、焼き物の種類についてご説明しましょう。

日本の焼き物は、大きく分けると4つに分類ができます。

土器、陶器、炻器(せっき)、磁器です。

このうちよく聞く言葉としては陶器と磁器が知られていますよね。

陶磁器という言葉がありますが、これは陶器と磁器という2つの種類の焼き物をまとめて呼んでるのです。

陶磁器という種類の焼き物があるわけではありません。

 

それでは、陶器と磁器はどのように違うのでしょうか。

陶器と磁器の簡単な見分け方としては、音があります。

金属を叩いた時のように「カーン」「チーン」と、非常に澄んだ高い音がするのは磁器です。

そして、それよりも低い音がすれば陶器になります。

陶器だけ、磁器だけを叩いても、今ひとつ区別がつかないと思いますので、二種類の器をならべて叩いてみると良いでしょう。

 

日本の陶器の中で、多くの人に愛されているのが益子焼(ましこやき)です。

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毎年ゴールデンウイークと11月3日の文化の日前後に、栃木県芳賀郡益子町で益子大陶器市が開催されています。

何と500以上の店が出店するという巨大な陶器市です。

関東近辺で焼き物に興味がある方は、毎年毎回足を運ばれている益子焼ファンも多いです。

 

江戸末期に今の笠間市で陶芸の修行を積んだ大塚啓三郎が、益子に窯を作ったことから益子焼の歴史はスタートします。

ゴツゴツした風合いの土だったので、細かいものや小さいものは作りにくく、大皿や壺などが作られていました。

 

益子を有名にしたのは、何と行っても濱田庄司です。

洗練されたものの美しさだけではなく、日常的に使う普段使いの製品の美しさを見直そうという動きがこの時代に広まり、濱田庄司の民芸調の益子焼が全国に知られることになりました。

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益子焼は持つとどっしりとした重さがあり、手触りもゴツゴツしたような質感があります。

茶色や黒、赤みがかった白などの器に、無造作に垂らしたような筆の跡がついているのが特徴です。

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