大堀相馬焼コラム

陶器と磁器って何が違うの?を解説します【スタッフブログ】

陶器と磁器って何が違うの?

こんにちは。
スタッフの八木です!

ここのところ冷え込んできた……と思ったら暑かったりと油断できない日が続きますね。
先日も寒かったので冬用の布団を出したら翌朝は暑さに飛び起きる、ということがありました。

さて、今回はタイトルの通り陶器と磁器の違いについて書いてみたいと思います。

日本の焼き物ですと陶器には大堀相馬焼や信楽焼が、磁器には有田焼や九谷焼がありますね。
国内外問わず、現在使われている食器類は磁器のものが比較的多いようです。

さて、この二つの大きな違いを一言でいえば原材料の違いです。
陶器も磁器も珪石と長石という鉱物を含んだ粘土を使うのですが、磁器の方がより長石の割合が高い特別な粘土を使い、焼く時も磁器の方がより高温です。

陶器のほうが重厚感を感じる、とか、磁器のほうが透明感を感じる、のようなイメージを持っている方も多いかと思いますが、実はこれらのイメージも原材料と焼成、つまり焼く時の温度の違いによるものです。

そもそも陶磁器が焼くことによって固まるのは熱によって粘土内に含まれる長石が溶け、珪石と土をつなぐ接着剤のような役目を果たすからです。
陶器の場合、900度程度で焼くのが一般的とのことですが、この状態だと吸水性が極めて高く、水が染みてしまうため、ガラス質の釉薬をかけてもう一度焼くことで表面がつるつるしたものになります。

また、低温で焼いているため土と珪石の結び付きが磁器より弱く、器としての硬さも磁器よりは脆いため、割れにくいよう比較的厚めに作られているものが多いです。
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一方で磁器ですが、先程も書いたように長石や珪石の割合が高い土を使っています。
この長石と珪石はガラスの原材料でもあり、高温で焼くことで結晶化し、とても硬くなります。

磁器の方が陶器よりも軽いのは、丈夫さを保ったまま器をより薄くできるからなのです。
また、ガラス質が多いので磁気の中には光にかざすと少し透き通るものがあるのも特徴です。磁器の方が透明感を感じるのもきっとこれが理由ですね。

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(こちらの写真は磁器の中でもボーンチャイナという特殊なものです)

このように書くと陶器よりも磁器の方が優れているように思えますが、必ずしもそうとは言えません。
確かに磁気は軽くて丈夫なのですが、その分熱伝導性が高くなってしまいます。
つまり熱いものを入れると器まで熱くなってしまいます。
ティーカップに取っ手がついているのもこのたかもしれませんね。

その点、陶器ですと厚めなだけでなく、ガラス質の釉薬の間に細かい隙間を含んだ素焼きの部分があるので、その分、手に熱が伝わりにくい構造となっています。
そして、熱伝導しにくいということは熱を放出しにくいということなので、より長く温かいお茶を楽しめますし、
お茶を淹れる際にもお湯が冷めにくいので温度調節がしやすく、より美味しいお茶を簡単に淹れられるのです。

大堀相馬焼は陶器なので磁器と比べると重いのですが、伝統の二重焼により保温効果は他の陶器よりも更に向上していますので、より美味しいお茶をより長い時間楽しめるのです。
磁器の食器は軽く、高級感のある絵付が施されたものも多いですが、温かいものを食べる時には陶器製の器の方がより美味しく頂けるかと思います。

長々と陶磁器について書かせていただきましたが、ここで一つ告知をさせていただきたいと思います。
この度、湯呑みや急須、徳利など大堀相馬焼の伝統すべてが詰まったセットの販売を開始致しました。

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もちろんすべて二重焼なので、温かいものが恋しくなるこれからの時期、きっと美味しく使っていただけるかと思います!

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