大堀相馬焼コラム

松永窯の新工房・ショップついにオープン!多彩な作品の展示販売に加え、全国の工芸品企画展も

三角形の黒い屋根にグレーの壁というシャープな外観。中に入ると一転、天窓から光が差し込み、木のぬくもりが温かい空間が広がります。窓際の交流スペースには曲線が優しいテーブルとチェアが並び、一見すると心地よいカフェのようにも。

ここが今年(2021年)3月、福島県西郷村(にしごうむら)にオープンした松永窯の新店舗です。奥には5つの窯を備えた新工房があり、そこで焼き上げられた作品を常時100点以上展示販売しています。

こちらに並ぶのは、青ひび・走り駒・二重焼の伝統スタイルの大堀相馬焼はもちろん、松永窯の定番でもあるカラフルな釉薬を使った器をはじめ、首都圏や海外でも人気のブランド食器IKKONや黒照(クロテラス)、さらには、松永窯で修業した若き陶芸家のユニークな作品などなど。

これらの商品の多くはオンラインショップ(大堀相馬焼IKKON黒照)でもお買い求めいただけますが、実際の品を手に取って風合いをお確かめいただけるのは実店舗ならでは。大堀相馬焼の伝統と新しい感性が融合した、松永窯の多彩な作品にぜひ直接触れていただけますよう、皆さまのご来店をお待ちしております。

また、ショップの一角では月替わりで全国各地の工芸品の企画展も実施しています。大堀相馬焼と同様、地域の伝統を受け継いで丁寧に手作りされた作品の数々。こちらも毎月お楽しみに!(▽6月の企画展は沖縄ガラス)


松永窯新工房・ショップ
福島県西白河郡西郷村小田倉字小田倉原1-31(東北新幹線・新白河駅タクシー5分)
営業時間:10:00-17:00(水曜定休)


 

■松永窯三代目窯元 松永和生より皆さまへ
「全町避難となった故郷・浪江町大堀を逃れ、100キロ以上離れた西郷村に仮設工房を建てたのは2014年のことです。以来、地域の方々たちの温かいご支援をいただきながら作陶を続けてきました。自分の年齢を考えたら、今ここで工房を建て直すのは冒険だったと言えるかもしれません。でも、若い陶芸職人の卵たち(地域おこし協力隊員)の育成に関わるうち、次世代に託せるものを残そうと考えて、「もうやるしかない」と決心しました。
私自身も生涯現役。他の窯元が真似したくなるようなものを目指して、新しい作品づくりに挑み続けています。また、将来は陶芸体験のご依頼にも対応したいと考えていますので、ぜひ皆さまのお越しをお待ちしております」

■松永窯四代目/ガッチ株式会社代表取締役 松永武士より皆さまへ
「今回の工房・店舗新築にあたっては、他にないデザインを目指して東京の若手建築家に設計を依頼しました。この建物は実は二層になっています。建物の中にもうひとつ建物が入っているような、大堀相馬焼の特徴である二重焼にも通じる造りです。ご来店の折には是非ご注目ください。
また、ショップ内の広いスペースを活かして、これから「器」に因んだイベントも随時開催していく予定です。たとえば茶碗とお茶、酒器とお酒、花器とお花などをテーマにしたワークショップや、ゲストを招いたトークショーなど。ここを文化の発信の場として、また地域の交流の場として大切に育てていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」

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