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陶磁器ブランドのまとめ。日本の和食器と海外洋食器のブランドのおすすめと違い
陶器と磁器のブランドを、日本と海外両方について日本でも有名な世界的ブランドから、国内ではほとんどお目にかかれないブランドまで、幅広く紹介します。
また、日本の和陶器と洋食器の違いも解説します。
日本だけでなく、海外の陶磁器の特徴と具体的にブランドを見て自分のお気に入りの陶磁器を見つけてみましょう。
和食器と洋食器の違い
和食器と洋食器の違いは何なのでしょうか。
食文化の違いから、食器の特徴も異なっていますので、素材・重さ・デザインの3点から見て行きましょう。
素材
和食器のほとんどは、粘土から作られる陶器です。
和食は食器を手にもって口まで運んで食べる文化のため、特有の手触り感のある陶器が多くなっています。
また、食器に口を付けて食べることもあるため、口触りの良さなども考慮されて作られています。
一方の洋食器は、陶石という石も含んだ粘土から作られた磁器が多くなっています。
洋食は基本的に、ナイフとフォークを使って食事をするため、傷のつきにくい磁器が用いられています。
重さ
食文化から、持ち上げて食べる和食器は洋食器に比べて疲れないように軽く作られているものが多いです。
逆に、洋食では食器を持ち上げることがマナー違反とされてしまうため、器は基本的に重く作られています。
デザイン
自分用のお茶碗やお箸など、自分専用の食器を揃えて毎日使う文化は、海外では非常に珍しいものです。
和食器の場合には、食器ごとにデザインが異なっている場合でも、個々の食器に様々な料理を入れて、色々な表情を楽しむ文化があります。
反対に、洋食器の場合には食器のセットを一式全て揃えるのが基本的です。
自分専用の食器を持つことはあまりありません。
日本の陶磁器
世界的に歴史の長い日本の陶磁器について、代表的なブランドを幾つか見て行きます。
また、各ブランドの陶磁器を買うのに最適なおすすめ通販サイトも紹介します。
和食器メーカーブランド
まずは日本の伝統ある和食器を製作しているブランドを5つです。
大堀相馬焼
福島県で1640年から製作されている、歴史ある東北地方で最も知名度の高いブランドです。
縁起物とされる「走り駒」の馬の絵や、独自の釉薬を使うことで表面に発生する「青ひび」、高い保温性を誇る「二重焼」という技法が特徴的です。
有田焼
佐賀県の有田で生産される400年以上の歴史をもつ磁器ブランドです。
焼き上がったあとから多彩な絵の具を用いて絵柄が描かれる上絵という技法による、鮮やかな色絵が特徴です。
軽さと薄さでも高いクオリティを誇り、日本で最古の磁器として高い評価を得ています。
有田焼を中心に、シンプルな食器を購入することができる通販サイトです。
器屋 にしやま
波佐見焼
長崎県で生産されるブランドです。
透けるような綺麗な白さと、その上に藍色で描かれる絵付けが特徴です。
おしゃれなデザインのものが多く、若者にも人気のある注目のブランドです。
カラフルなマグカップなど、多種多様なデザインの波佐見焼が取り扱われているサイトです。
マルヒロオンラインストア
美濃焼
日本国内で生産されている陶磁器のうち、50%以上のシェアを誇るブランドです。
岐阜県多治見周辺で生産され、須恵器をルーツとして様々な種類があります。
モダンでカラフルなデザインの美濃焼を製作する窯元のオンラインショップです。
作山窯
瀬戸焼
日本の六古窯のひとつで、愛知県瀬戸市を中心に製作されています。
古くから釉薬の使用によって器の強度が保たれ、海外でも高い評価を受けました。
一般的に焼き物のことを「セトモノ」と呼ぶこともあるほど、大衆に浸透している有名なブランドです。
ひとつひとつ手描きで丁寧に描かれたやさしい絵柄の瀬戸焼製作し、販売している窯元のサイトです。
宝山窯
洋食器ブランド
ノリタケ
100年以上の歴史ある、美しい白い食器が特徴的な老舗ブランドです。
日本で初めて、食器のディナーセットを完成させました。
気品ある白い食器のほかにも、華やかな絵柄のものなどもあり。食卓を鮮やかにしてくれます。
ナルミ
名古屋で作られている、ノリタケに次いで2番目に大きい日本の大手洋食器メーカーです。
骨の灰を陶土に混ぜた粘土から作られる、ボーンチャイナという種類の磁器が有名です。
温かみある白さが特徴的で、ブライダルギフトにもよく用いられます。
上品で主張の激しすぎないデザインで、馴染みやすいのも特徴です。
ニッコー
1906年に金沢で誕生した陶磁器メーカーです。
真っ白ボーンチャイナが特徴的で、世界で1番白いとして評判のあるブランドです。
高級ホテルやレストランでも使われ、料理をより綺麗に見せてくれる食器として人気があります。
大倉陶園
横浜の皇室御用達の高級陶磁器メーカーです。
ノリタケの子会社で、伝統的な染付と洋食器の技法の両方を用いて、豪華なデザインの食器が多く作られています。
色の白さ、磁器質の硬さ、肌のなめらかさに大きな特徴があり、品質の高さにも定評があります。
優雅で鮮やかな絵柄から、食器としてだけでなく、飾り物としても用いられます。
カネスズ
洋食器を中心に、中華食器や和食器、オーブン食器などを業務用に作っているメーカーです。
プロ向けのスタイリッシュな白磁や、レストラン向けの耐久性の高い食器など、多種多様な食器が取り扱われています。
取扱い商品数が非常に多く、そのなかから最適な食器を選ぶことができます。
公式のオンラインショップはなく、HPからカタログを請求して注文することは可能です。
また、Amazonからも購入することができます。
カネスズAmazon
世界の陶磁器
世界にも様々な陶磁器ブランドがあります。
どのような特徴があるのでしょうか。
国と地域ごとに歴史ある老舗ブランドなどを紹介していきます。
ドイツのブランド
実用的でシンプルなものが多いイメージのドイツの陶磁器ブランドを幾つか紹介していきます。
マイセン(MEISSEN)
300年前にヨーロッパで初めて硬質の磁器を完成させ、ヨーロッパの陶磁器をリードしてきた老舗のブランドです。
現在まで高い芸術性と品質を誇り、日本でも高級磁器ブランドとして人気があります。
製作に必要不可欠な陶石が人手で採掘され、原料の65%を占めています。
初めに磁器の目を付けたザクセン公の紋章で、交差する2本の剣のマークが特徴的です。
ドレスデンクリスタル(DRESDEN KRISTALL)
ヨーロッパの貴族に長年愛されるブランドです。
伝統を受け継いだ精緻なデザインのガラス製品は、グラスだけでなく様々な製品があります。
高貴なガラスの輝きと、独特の重厚感が特徴的です。
フッチェンロイター(HUTSCHENREUTHER)
実用性の高い高級磁器として有名です。
開窯した際の当時の王に最高品質を誓ったという歴史があります。
真っ白な磁器と、バイエルン州のライオンのマークが特徴的です。
しっかりとした雰囲気と耐久性を考慮した丈夫なデザインをしています。
ケーピーエムベルリン(Manufaktur Berlin GmbH)
ベルリン王立磁器製陶所は、1763年に当時の王によって創立された製陶所です。
シンプルな食器が多く、250年以上前から今まで作り続けられているものや多数の食器セットなどが製作されてきました。
ケーピーエムベルリン(Manufaktur Berlin GmbH)
ヘキスト(Höchster Porzellan-Manufaktur GmbH)
マイセンに次いで2番目に長い歴史をもつフランクフルトの陶磁器工房です。
270年以上の歴史を誇り、職人が下絵なしで絵付けする独自の方法で伝統的な絵柄の食器が数々作られています。
職人による繊細な絵柄が非常に美しく、食卓を華やかにしてくれます。
ヘキスト(Höchster Porzellan-Manufaktur GmbH)
ローゼンタール(Rosenthal)
絵付け工房を開いたところから始まったブランドです。
良質な陶土を使った白い磁器の製作を行い、瞬く間にドイツの代表的なメーカーになりました。
洗練された個性溢れるデザインで注目されています。
リンドナー(Lindner)
バイエルンで手作りで製作される磁器ブランドです。
複雑な模様が描かれ、他のブランドに比べて少し派手なのも特徴です。
イギリスのブランド
ロイヤルワラントからかわいらしいデザインが豊富なブランドまで、幅広く紹介します。
ウエッジウッド(WEDGWOOD)
「英国陶工の父」と言われたウェッジウッドによって創設され、食器だけでなく生活のなかにある様々なアイテムを製作しているブランドです。
250年以上の歴史を誇り、英国王室にも認められた世界的なブランドです。
独特の高級感溢れるブルーの使い方が大きな特徴です。
ミントン(Minton)
こちらも老舗のメーカーです。
ビクトリア女王に愛されたブランドとして、王室御用達の食器となりました。
彩りが鮮やかで華やかな絵柄と美しいボーンチャイナで世界に広がっていきました。
ロイヤルアルバート(ROYAL ALBERT)
ボーンチャイナに豪華な花柄が描かれた食器が特徴のブランドです。
1897年にはビクトリア女王の即位60周年の記念品を手がけるなど、優雅な金の使い方などで有名です。
ロイヤルクラウンダービー(Royal Crown Derby)
イギリスで歴史あるメーカーで、現在までメイド・イン・イングランドを守り続けている格式高いブランドです。
品質の高さと当時の国王にも認められた王冠のデザインからイギリス陶器の象徴ともされています。
日本の伊万里焼の様式を取り入れて、極薄な生地に豪華な絵柄が描かれています。
ロイヤルクラウンダービー(Royal Crown Derby)
ロイヤルウースター(Royal Worcester)
こちらもイギリスで長い歴史を持つ名窯です。
イギリスで初めて王室御用達の指名をうけたブランドで、金を豪華に使った華やかなデザインが特徴的です。
透き通るような白磁の食器も非常に魅力的です。
ロイヤルドルトン(Royal Doulton)
モダンなデザインで日常使いに人気のあるブランドです。
世界最大の陶磁器メーカーとしてロンドンの都会的なスタイルを独特のデザインで表現した食器が数多く作られています。
ポートメリオン(Portmeirion)
イギリスの小さなお土産屋さんから始まった陶磁器ブランドです。
温かみのあるデザインやカラフルでポップなシリーズなど様々な種類の食器が製作されています。
特に植物がデザインされたロングセラーシリーズ「ボタニックガーデン」で世界的に一躍有名になりました。
フランスのブランド
食文化も芸術のひとつとする価値観のなかで、高級ブランドからリーズナブルなものまで多くのブランドのあるフランスの陶磁器ブランドについて紹介していきます。
ジアン(GIEN)
200年近い歴史を持つ、フランスの陶器ブランドです。
シンプルなデザインで日常にも馴染みやすく、用途を選びません。
ジアンブルーと言われる綺麗な藍色が特徴的で、長年に渡ってブランドの顔として定着しました。
フランスの厳しい資格審査である「コミッテ・コルベール」にもなっています。
アビランド(Haviland)
フランスの最高品質のリモージュ磁器の代表的なメーカーです。
洗練されたモダンデザインと透明感溢れる白さから現在も広く愛されています。
リモージュを陶磁器の町として有名にしたブランドです。
フィンランド・スエーデンのブランド
冬が長く厳しい北欧地域では特に家庭で過ごす時間が長いため、食器についても注目度が高く、デザイン性の高い実用的なものが多くあります。
アラビア(Arabia)
北欧で最大のフィンランドの窯で作られているブランドです。
土の温かみを感じることのできる風合いと、優れたデザイン性でフィンランド国内で根強い人気があります。
伝統に縛られず、新しく実用的な陶器を数多く製作しています。
イッタラ(Ittala)
ガラスメーカーとして始まり、その後テーブルウェアの総合ブランドとして幅広い製品を提供するブランドです。
フィンランドで最も古いガラス工場として200年以上に渡ってガラス製品の製作を続けています。
機能性の高いデザインと質の高いガラスで、ニューヨークの近代美術館に永久保存品として認定されているものもあります。
ロールストランド(Rorstrand)
スウェーデンの陶磁器ブランドです。
王室御用達ブランドとして創業し、ヨーロッパで2番目に長い歴史を誇ります。
上品でやさしいデザインで、格式高い食器をたくさん作っています。
ノーベル賞の晩餐会でも使用されていることで有名です。
そのほかの国のブランド
他の国や地域にも多くあるブランドのなかから、幾つか紹介します。
アウガルテン(オーストリア)
マイセンの白磁の製法を用いた、ウィーンの磁器工房です。
雪のような白さの生地と使い手に馴染む形や優しいデザイン・絵柄で300年以上愛されているブランドです。
職人の手作りでのみ生産されるため、生産量に限りはありますが、ひとつひとつ丁寧に繊細な造りをしているのも特徴的です。
ロイヤルコペンハーゲン(デンマーク)
デンマークの王室への贈り物を作るために設立された、格式高いブランドです。
デンマークに限らず世界中の王室から信頼を集め、手描きの独特の絵柄や特徴的なブルーが印象的です。
高い技術で日本でも高い人気を誇ります。
リチャードジノリ(イタリア)
イタリアを代表する最大のテーブルウェアのブランドです。
最古の代表作「ベッキオホワイト」など、伝統を守りつつ、白く美しい食器が職人によって丁寧に製作されています。
ヘレンド(ハンガリー)
華麗な絵付けで知られる磁器の老舗ブランドです。
ロンドンの第1回万博博覧会への出店でビクトリア女王に目をかけられ、一気に知名度が上がりました。
かわいらしい色使いと手描きの絵柄の繊細さは、多くの貴族に愛され、現在も誇りを失わずに技術を伝承しています。
あなたは日本の陶器と世界の陶器のどちらが好きですか?
世界中の陶磁器の高級ブランドを見てきました。
同じ陶器でも国や地域、ブランドによって製法からデザインまで多種多様です。
自身のお気に入りの食器を世界中から見つけてみましょう。