大堀相馬焼 松永陶器店

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京都美術工芸大学、大学生の松永窯体験レポート

こんにちは、松永です。

京都美術工芸大学の石田こゆきさんがレポートを書いてくれました

石田さんはモノづくりがしたくて京都美術工芸大学に入学しましたが、途中で美大や工芸大学に通う生徒さんのその後のキャリアに関心を持つようになり、自分なりに工房を回りをはじめるようになるうちに、昨年の8月ごろ松永窯と出会いました。

一度福島にきて、職人がなかなかいないという現状を聞くうちに積極的に活動してくれるようになり、今回、陶芸コースの吉田くんを京都まで連れてきてくれました。

今回、石田さんが京都に戻った後に書いてくれたレポートを、彼女が撮影した写真とともにこのコラムに掲載したいと思います。

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想いが距離を越えるとき

大堀相馬焼の職人さんの技術を学ぶため、陶芸を学んでいる京都の学生が福島県二本松市を訪ねました。

 

図1

到着した際、根本さん(大堀相馬焼の職人さん)はお仕事の真っ最中で、根本さんがろくろを引く姿を見た吉田くん(学生)は、まず、その速さに驚きました。

 

図2

他の産地にも見学に行った経験を持つ吉田くんですが、ここまで早いスピードで成形されていくのは初めて見るそうだ。

 

図3

根本さんの一つ一つの動作は、どうやったら効率が上がるか考え尽くされています。

 

図4

一通り自分の技術を見せた根本さん。「後は、やるかやらねぇかだ。」

 

図5

ろくろを引く感覚は体で覚えていくしかない。近道はただ一つ。やり続けること。

 

吉田くんは教えてもらったことを反芻しながらろくろを引きます。自分のものにするために、黙々と。

 

図6 (3)

そんな吉田くんを気にかける様子の根本さん。

 

図7

図8

一旦は仕事に戻ったものの、根本さんの指導はすぐ再開されました。

「俺のやり方があってるか分かんねぇけども」と言いながら、今まで自分が職人としてやってきたからこそ気づけたことを伝えていきます。

 

吉田くんもそんな根本さんの姿から学ぼうと眼差しは真剣です。

 

図9

図10

すると、根本さんと吉田くんの動きが重なります。体全体を使って根本さんを真似する吉田くん。

 

図11

「その人のくせが分かれば、その人が作るものに近づける」と吉田くんは言います。

 

“学ぶ”とは“真似る”ことと聞いたことがありますが、まさにその通りだなと感じた瞬間でした。

 

今回二人が作業を交わしたのは、実質3時間くらいでした。

 

しかし、そこには陶芸の道を進む人にしかわからない空間が確実にありました。その空間では福島と京都という距離の差や、ふた回り以上も違う年齢の差は関係ありません。

 

さりげなく吉田くんの長期休暇の予定を尋ねる根本さんと、教えてもらったことを京都に持ち帰って練習し、また福島を訪れたいと話す吉田くん。

 

いろんな距離を越えてつながる想いを感じるのでした。

 

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