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吉野ヶ里遺跡で見た1万年前の器|佐賀に行ってきました その2
こんにちは。
コラム担当の西田です。
写真は長崎のペンギン水族館で撮ったものです。
意図せず色合いがペンギンに似てしまいました。笑
さて前回の
記事: 磁器の鳥居とバルーンフェスタ|佐賀に行ってきました
に引き続き、今回も「さすがは焼き物の大産地!」北九州訪問についてです。
バルーンフェスタでのボランティアが終了した後は、プライベート旅行として吉野ヶ里遺跡公園を訪れました!
物見やぐらから遺跡公園を見下ろした写真です。
当時の見張り兵や高い身分の方々はこのような景色を見ていたのだなーと思うと、タイムスリップをしたような、少し不思議な気分になりました。
この日もとってもよく晴れていたので、景色としても純粋に美しかったです。
しかしながら、私がさらに興味をそそられたのは「衣食の発明」「こんなふうにしてできあがるんだ!」という工程を説明してもらったことでした。
お米にも似ていますがもう少し小さいもの…キビです。キビ団子のキビ、雑穀米などに入っていることもあるあのキビです。
こちらを手作業で脱穀している様子を見学、というよりは説明を受けながら一緒に作業させてもらいました。
脱穀を体験することは初めてで「量をこなすのは大変そうだけれど、作業自体はとてもシンプル」「昔の人は機械などもなくこうやって食べ物を作っていたのですね」と感想をもらすと、遺跡公園のことを更に詳しく教えてくれました。
次に足を止めたのがこちら。さてこれは何でしょう…?
緑の葉がポンポン草と呼ばれる雑草、右はその草から作った糸です。
雑草から糸、そして布ができるとは…?!
ポンポン草の茎を削いでいき、残った茎の芯を乾かすと写真にある少し太めでしっかりしたものに。
そしてそれを割いたりして細く糸状にしたものが、くるくるふわふわして見えるものに。
麻のような少しごわごわめの糸になります。
そして、できあがった糸を織り上げるのももちろん手作業。
草から糸、糸から布に。
普段当たり前のように身につけている布ができあがるまでを断片的にですが見ることができて、とても興味深かったです。
「いかにも古代!という色彩だ…!」と色彩系の検定を趣味で受け続けている私が思わず駆け寄ってしまったのはこちら。
紫色は身分の高い人しか使えなかったというお話は、この時代でなくても日本でなくても比較的よく聞くものです。
それは紫に染め上げる原料が貴重なものだったり、染めるために必要な原料の量が莫大だから。
吉野ヶ里のあたりの紫色は貝で染められていたようです。
お隣の赤色はアカネ由来。
アカネを煮出すとこのような色が出るそうです。
繊維も色も植物からという昔ながらのモノの製造工程に感心してしまいました!
布関連でもうひとつ。こちらは何でしょうか?
再現住居のひとつで養蚕を行っているそうで、そちらも解説付きで案内してもらいました。
繭玉を触ったのも初めてで柔らかさと軽さに驚きましたが、中に何かがいるような(サナギが入っています)かさっとした音にはなんだか怖くなってしまい…笑
また、この繭玉を置いているかごのような装置は公園スタッフさん方の手作りだそうです。なるべく古くからのシンプルな技術や手作りを大事にする姿勢にはとても感動しました。
伝統工芸品の焼き物を扱うお仕事をしているわけですから、もちろん器はしっかりとチェックしてきましたよ!
当時の焼き物を再現したものが、住居の近くに置いてあったりします。
形や色の美しさなどよりも実用性を重視したもののように見えました。
遺跡公園内には展示などが行われている建物もあります。
そのひとつでは、発見された土器の修復作業が行われていました。
かなり大きな器もありました。
細かいパーツを組み合わせて元の形に戻す作業、とても時間と根気が必要そうです。
写真が撮れない展示もあり、そこには1万年前の土器や弥生時代に埋葬された人の骨(密封されているとほぼ全身骨が残るようです!びっくり!)などが並べられていました。
期間限定の貴重な展示だそうですので、お近くにお住いの方やお立ち寄りの機会がある方はぜひ…!
お土産屋さんチェックももちろん忘れてはいません。
さすがは焼き物大産地とあって、唐津焼のコーナーが確保されていました。
あら!よく見ると相馬焼の特徴にもあるひび割れが!
産地や歴史は違えど、同じ特徴を持っていると親しみがわきますね。
相馬焼の「馬」のように特定のモチーフを持っているわけではなさそうでしたが、その分色合いや造形の自由さが目立っていました。
と、プライベートでどこかを訪れても、結局焼き物が気になってしまう西田の佐賀訪問レポートでした。
また素敵な器に出会えますように…!