大堀相馬焼コラム

「福のまめ皿」ストーリー:災害復旧工事の完成記念品に(星野建設株式会社様)

多くの企業様にもご縁をいただいている大堀相馬焼。本記事では、5窯元が参加して製作した「大堀相馬焼 福のまめ皿」を記念品としてご注文くださった星野建設様のお声をご紹介します。

まめ皿A

物語のあるギフトとして誕生

2018年2月発売の「大堀相馬焼 福のまめ皿 5枚セット」は、「物語(ストーリー)のあるギフト」として開発されました。手のひらサイズのかわいらしい小皿に描かれた5種類のデザインは、いくら、いわな、凍み餅、夜ノ森の桜、そして左馬。いずれも、大堀相馬焼の故郷・浪江町を含む浜通り地方12市町村に縁のあるモチーフです。(詳しくはこちら

実はこれらのデザインの元となるアイデアは、2017年11月、大震災後初めて浪江町内で開催された十日市祭において、来場者のご協力をいただいて収集されたもの。地元の皆さんが「私の考える〇〇(浪江、南相馬、浜通り…)」を自由に表現してくださった200点ものアイデアの中から、最終的に5つを選んで商品として完成させました。実際の製作には、県内各地で工房を再建した大堀相馬焼の5つの窯元が協力しています。

まめ皿B

大震災と原発事故からの復興を目指す浜通り地方。その地を訪れた方々にぜひ土産品・記念品としてご利用いただけるよう願って作られた「福のまめ皿セット」ですが、まさにその願いを叶えてくださったのが、遠くは長崎県からご注文くださった星野建設株式会社様です。大震災後、長らく相馬市での災害復旧工事に携わってこられた同社は、その工事完成の記念品として「福のまめ皿セット」をお選びくださいました。

記念品としてまさに打ってつけ

星野建設株式会社代表取締役の星野親房様に伺いました。

「6年間にわたる相馬市での災害復旧工事が2018年夏に完成するにあたり、この工事に携わった方々に記念品を、と考えました。それで、相馬地方で何か焼き物がないかとネットで検索したところ、浪江町大堀地区に伝わる大堀相馬焼というものがあり、その窯元さんが原発事故で地元を離れ、各地で再開されているということを知りました。そして、これを盛り上げるために地元のモチーフをデザインした小皿セットをギフト商品として発売、という記事を拝見して、今回の記念品としてはまさに打ってつけだと思ったのです」

星野建設様機関紙
▲2013年の星野建設様機関紙より▲

また、復興への願いだけでなく、「デザインにも描く方の思いが詰まっていてセンスの良さに魅力を感じた」ことも、このセットを選んだ理由とのこと。また、長崎という遠方からのオンライン発注については、「できれば実物を見てからと思いましたが、それはかなわず。でも実物は写真以上のもので大変満足」と語ってくださいました。

実際に記念品として受け取られた方々のご感想はいかがだったのでしょうか。

「相馬での工事に携わった社員や協力業者、またその間いろいろとお世話になった関係者の方々へ記念品として贈りましたが、『デザインが良くて大変よい記念品だ』、『日常使いに楽しい小皿』などと好評でした。また、『各窯元の説明とデザインの説明が添えられているのが良い』という感想もいただきました」

最後に、大堀相馬焼へのエールも頂戴しました。

「関係者の皆さんは、この度のピンチをチャンスとして、ぜひこれからも伝統を守っていただきたいと思います。福島県(特に相馬市)の皆さんには大変お世話になりました。これからも機会あるごとにみんなで訪れたいと思います」

星野様、ありがとうございました。「大堀相馬焼 福のまめ皿」を贈った方も贈られた方も、どうかこの小さな焼き物に込められたストーリーを語り継いでくださいますように。

(2019年5月)

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